会社を設立後、仕入先との取引、・金融機関からの借入を行うために必要となるのが銀行口座の開設です。現金のみの商売をする業種以外の会社は必ず銀行口座を持つ必要があります。どのような金融機関を選べばいいのかをお話します。

✓ 【 目 次 】


 1.金融機関の種類と選び方
 2.口座開設をしましょう
 3.まとめ

1.金融機関の種類と選び方

 

1.金融機関の種類

会社を経営していくにあたり次のような金融機関との取引が発生すると思いますので、説明いたします。

1.都市銀行

都市銀行は、大都市に本店を置いて全国各地でサービスを行っている銀行のことをいいます。いわゆる大手銀行と呼ばれ、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が該当します。都市銀行は大手上場企業を中心に取引を行っています。

2.地方銀行

地方銀行は、地方都市(各都道府県)に本店を置いて、各都道府県内で地域に密着し経済を支える役割を担う。取引先は地元の中堅企業、中小企業や個人が中心。

3.信用金庫

信用金庫は、会員の出資による共同組織の非営利法人であるため、会員すなわち地域社会の利益が優先される。そして、信用金庫の会員になるためには、営業区域内に居住している、営業区域内の会社に勤めているなどが加入の条件になっています。地域密着型の金融機関といえます。

4.信用組合

信用組合は、組合員の出資による共同組織の非営利法人です。信用金庫と同様に組合員すなわち地域社会の利益が優先されます。信用組合は、信用金庫と同じ共同組織の金融機関ですが、根拠法や会員(組合員)資格が異なります。また、預金の受入れについても、信用組合は原則として組合員が対象ですが、信用金庫は制限がないなど業務の範囲も異なります。信用組合の会員になるためには、営業区域内に居住している人、営業区域内の中小企業の事業者並びに在勤者が加入の条件になっています。

5.ネット銀行

ネット銀行とは、実際に対面する店舗を持たず、インターネット上での取引を中心として営業している銀行のことをいいます。
ネット銀行は、店舗を持たないため、振込やATMの手数料などが安く、高金利での預金を提供しています。ただし、法人口座の開設に対応していないネット銀行もあります。

2.金融機関の選び方

「金融機関の種類」で述べましたように種類は豊富にあるものですが、いざ利用する場合には、どんなことを考慮して金融機関を選べばいいのでしょうか。

1.付き合いのある金融機関を選ぶ

個人事業主として営業していた方が法人成りするような場合は、その時に取引している金融機関をメインバンクにすることをお勧めします。その金融機関とは取引実績が残りますので借入の際にもプラス材料になります。

2.会社や自宅の近くにある金融機関を選ぶ

特に取引している金融機関を持っていなければ利便性を考えて会社や自宅の近くにある金融機関を選ぶのも方法の一つです。口座の開設後にどうしても窓口に行く必要が生じた場合には、所要時間を考えても近くにある方が便利です。

3.手数料やATMの営業時間を考えて選ぶ

手数料は1回あたり数百円と少額ではありますが取引する回数が多くなるにつれて当然にコストが増えます。他行への振込手数料やATM利用手数料を比較し、できるだけ安く利用できる金融機関を選ぶのも考慮に入れるべきでしょう。

4.サービス面を考えて選ぶ

担当者の細かいサービス、困った時に相談に乗ってくれるという面を考えると都市銀行のような大手の企業を相手にしている金融機関より、信用金庫や信用組合のほうが小回りがきき地域密着型と謳っているように、より身近な金融機関です。

2.口座を開設しましょう

口座の開設は、個人の口座を開設する場合とそれほど違いはありませんが法人口座に特有のことをお話します。

1.金融機関口座開設のタイミング

金融機関に口座を開設するのは、法人の登記が完了してから行います。口座を開設するには「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」が必要書類になっているためです。この「登記事項証明書」は、法人の登記が完了した後に発行してもらえる書類だからです。

2.口座開設に必要な書類等

口座開設に必要な書類は各金融機関によって若干の違いがありますので、ここでは一般的に必要な書類等をあげます。
●口座開設申込書(各金融機関独自のもの)
●登記事項証明書
●法人の印鑑証明書
●代表者本人または来店者の公的な本人確認資料(運転免許証や健康保険証)

3.まとめ

金融機関には、それぞれ独特の特徴を持っております。一長一短がありますので御自身の利用目的、状況に合わせた金融機関を選ぶことをお勧めします。
 また、最近は金融機関のほうが口座開設に消極的で審査も厳しくなる傾向にあります。法人設立後は早めに申込みをしないと思っていたより開設に時間がかかり新規取引先と入出金ができず、取引が初められないということもありますので、ご注意ください。