日本政策金融公庫は、国が100%出資している政策金融機関です。
つまり、国が政策として中小企業を様々な形で支援しようとしているのです。
その中で、『長期の借入れが可能』『融資の実行までの期間が短い』等々多岐にわたり支援策を講じています。
日本政策金融公庫にて融資を受けることは、後々の事業の運営を考えてみても利用する価値のある金融機関でありますので、6つのメリットをご確認ください。

1.長期の借入れによる資金調達が可能
2.実績がなくても借入れが可能
3.金利を固定で元金均等返済である
4.融資実行までの期間が短い
5.無担保・連帯保証人不要で借入れが可能
6.社会的信用を得ることができる

1.長期の借入れによる資金調達が可能

一般的に、創業後すぐに売上を確保し、安定的な経営を行っていくのは、なかなか難しいものです。そこで、銀行や信用金庫などの民間からの融資(いわゆるプロパー融資)を受けようとしても期間1年の短期借り入れになってしまうことがほとんどです。
 一方、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用すれば「5年から7年」の長期の借入れが可能になります。

2.実績がなくても借入れが可能

日本政策金融公庫の『新創業融資制度』を利用できる要件には『新たに事業を始める方または事業開始後で税務申告を2期終えていない方』とあげられています。つまり、「これから事業を始める方」という「実績がない方」であっても融資を受けることが可能なのです。銀行などの民間金融機関からの借入れは、実績のない方が融資を受けるのは信用保証協会を同時に利用する場合を除きハードルが高いのが現状です。
ただし、誰でもなんでも借入れができるというものではなく経験、計画性、面談での印象などを審査していただいた上での判断になります。

3.金利を固定で元金均等返済である

日本政策金融公庫が採用している融資は、すべて固定金利が適用されます。
固定金利は、融資を受けた時点での利率が返済終了まで、ずっと適用されますので、将来の金利上昇を気にすることなく、返済計画を立てることができます。

さらに、返済方式が元金均等返済であるため、毎月の返済額が少しずつ減っていくため、資金繰りを考えると徐々に返済が楽になります。

4.融資実行までの期間が短い

「2.実績がなくても借入れが可能」でも、お話ししたように実績のない方は民間の金融機関(銀行、信用金庫等)からの融資(プロパー融資)を受けることは、なかなか難しいものです。そうなると、日本政策金融公庫による融資か制度融資のいずれかを考えることになります。
ここで、制度融資とは、地方自治体が行っている融資で信用保証協会が保証をする上で自治体が民間の金融機関に資金を預託し、窓口になってもらうという三者(地方自治体、民間の金融機関、信用保証協会)での協調による融資の形態です。この制度融資は、三者のそれぞれに審査があるため融資の実行までに3ヶ月程度かかる場合があります。
一方、日本政策金融公庫の新創業融資は、概ね1か月から1ヶ月半程で入金まで完了する場合が多いのです。
融資実行までの期間が短いことは、資金繰りを考えると大きなメリットといえます。

5.無担保・連帯保証人不要で借入れが可能

日本政策金融公庫の新創業融資では、担保も保証人も立てずに最大3,000万円の融資を受けることが可能です。新規事業を始めるにあたり、その事業が成功するかどうかを判断するのは難しく家族や友人に保証人になってもらうのは困難であるかもしれません。また、家族の了解を得て自宅を担保にするにしても、ご自身の心の中では、「もし、この事業に失敗したら家を取られ家族を路頭に迷わせてしまうかもしれない」と思いながらの活動では、心理的に負担が大きすぎるかもしれません。そんな場合にこの制度はとても安心して事業に集中できるものと言えます。

6.社会的信用を得ることができる

社会一般のステレオタイプの考えによると『借入れ=悪』というイメージが先行しているように思われます。しかしながら、『借入れ』すなわち、『融資を受ける』ということは事業を継続する上でも事業を拡大するためにも、とても大切な手段なのです。(借入先がノンバンクや消費者金融となると話が少し違いますが)
日本政策金融公庫での借入れは、国の100%出資の金融機関であるので安心感があります。審査もしっかり行われるのでその審査を通過することで社会的信用を得ることができ印象もとても良くなるでしょう。