一手を打って、後は寝て待つでは経営は成り立たないのです。人は往々にして一手を打つとどこかに安堵感を抱きホッとします。ただ、その一手が不発に終わったとき、がっかりし次の手を打つ、これが人の行動パターンなのです。

1.「これでもか、これでもか」と畳みかけるように行動すること

 一手を打って、後は寝て待つでは経営は成り立たないのです。人は往々にして一手を打つとどこかに安堵感を抱きホッとします。ただ、その一手が不発に終わったとき、がっかりし次の手を打つ、これが人の行動パターンなのです。
独立開業時は特に時間管理が大切です。一手を打っただけで満足して待っているのでは、時間がもったいなさすぎです。「タイム・イズ・マネー」という諺がありますが、無駄な待つ時間もお金です。何もしなくても、家賃、電話、水道・光熱費などの固定費はかかってしまいます。一日、一時間でも早く経営基盤を築かなければなりません。時間の有効利用も成功への鍵であることは当然です。
開業時の時間を有効利用するために、重畳的な行動が必要になってきます。俗な言葉でいえば、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」なのです。独立開業した経営者は、経営管理の達人ではありません。新米の経営者なのです。対策・戦術を幾重にも重ねる「重畳作戦」に成功への道があります。
企業経営で大切なことは、当然「売上を伸ばすこと」「経費を抑え、削減すること」「金融機関から資金を調達すること」三つであります。この三つの要素の一つ一つについて、「これでもか、これでもか」と対策を検討・実施しなければならないのです。
そうしているうちに、自分に合った商材・取引先が見えてくるのです。タテ、ヨコ、ナナメの平面的に、かつ上下の立体的に、そして時間的にも重畳的に考え、行動を起こすのです。重畳的とは、読んで字のごとく幾重にも重ねることです。
経費面でも、経費の削減はこれでよいか、もっと削減できないか、重畳的な検討を必要とします。原則として生産性のある経費については経費の削減の対象にならないことは当然ですが、それでも真に生産性のある経費であるかの検討は重畳的に行うべきでしょう。
金融機関に対する融資の申し込みについても、一つの機関に申し込みをして待っているだけでは能がありません。
申し込んだ金融機関に断られることも想定して、他の金融機関に対しても申し込みをするくらいの慎重さが必要なのです。公的融資制度についても、色々な制度がありますから、それも重畳的に検討してみてください。