飲食店経営において経費を抑えることは知っておくべき基本的なことになります。

1.メインの経費は原材料費と人件費

飲食店経営において、大部分を占めるのは原材料費、人件費、家賃(賃貸にて開業の場合)になります。その中で特に重要なのが原材料費と人件費です。

飲食店経営での原材料費とは調理をするための食材費のことをいいます。

材料費の目安として使う指標として原価率がありますが、これは売上に対する原材料費が占める割合のことを指します。飲食店での原価率は25~30%くらいを目指すのが良いとされています。

また、人件費とは社員、アルバイトに払う給料や社会保険などの法定福利費を含む人に掛かる費用のことです。(会社で経営する場合は役員報酬も含まれます。)

そして、売上に対する人件費のことを人件費率といいますが、一般的に20~35%くらいが目安とされています。

2.FLコストについて

1で説明しました食材費(F=Food)と人件費(L=Labor)を併せたものをFLコストといいます。

そして売上高に占めるFLコストの割合をFL比率といいます。FL比率を50~60%に抑えるのが理想の目安です。

3.FL比率について

FL比率の計算方法は以下になります。

FL比率=⦅(食材費+人件費)÷売上高 ⦆×100(%) 

例えば月間の売上高が500万円の店舗を考えると

売上高・・・500万円

食材費・・・200万円  「原価率は  (200万÷500万)×100=40%」

人件費・・・150万円  「人件費率は(150万÷500万)×100=30%」

この場合、FL比率は ⦅(200万+150万)÷500 ⦆×100 =70% になりますので、目安の50~60%を超えてしまっています。

FL比率が70%を超えてしまうと、飲食店としてはほぼ間違いなく利益が出ない状況にあります。食店経営には、食材費や人件費の他に、家賃、水道光熱費、消耗品費、リース料など多くのコストがかかります。これらを足すと30%を超えることが多いからです。

この店舗の場合では、どうすればこの状況を改善できるのでしょうか。1つは売上を伸ばすことでFL比率を下げることができます。

今回は売上ではなく経費(コスト)についての話なので、その面で考えます。

4.利益の出るようにFL比率を下げるには

1.仕入先の見直しをする

食材費を下げるには仕入先の変更を考えてみます。業務用の食材店での仕入れや扱う食材が多いものには直接に農家さんと契約して仕入れることで食材費を抑えるようにします。

2.食材の廃棄率を下げる

日々の仕入れをいい加減にしてしまい無駄に多く仕入れてしまうことで廃棄せざるを得ないことがないようにしましょう。また仕入れた日にちの早い食材から使用するのは廃棄を減らす基本的なものです。

3.オーバーポーションをなくす

オーバーポーションとは、決まった分量を超えた盛り付けをすることです。オーバーポーションが多くなれば原価率が上がってしまうのは当然のことです。盛り付けにムラがあると御客様の満足度を下げてしまう原因にもなります。

4.店舗運営のオペレーションを改善する

オペレーションを改善することにより、人件費の無駄を減らせるきっかけになります。曜日別・時間帯別の売上を分析し、人員配置、労働時間の改善策を考えます。そのためにはアルバイトスタッフのシフトを見直したり、採算の取れない時間帯は店を閉めたりするのも一つの方法です。遅い時間にお客が入らない場合には思い切って閉店時間を早めることも必要です。

5.まとめ

飲食店経営を長く続けるには売上を伸ばすことを考えるのは当然ですが、そのために経費が掛かりすぎてしまっては経営努力の無駄になり営業が立ち行かなくなってしまいます。

近年はFLコスト以外の経費、例えば光熱費などは特に上昇傾向にあります。従って経費の大部分を占めるFL比率を日々、意識して営業することが大切なことになります。

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