お客様からクレームが入ると、往々にして逃げ出したくなるのが人の常です。お客様からクレームが入ったら、まずお客様の主張をよく聞いてください。
その場逃れの弁解は禁止、絶対にいけません。問題の所在を見失わないように注意深く聞いてください。そして、その問題の中にこそ、新しい商品のヒントがあったり、改善の情報が見つかることがあります。
その可能性を無駄にしないように、お客様からのクレームを大切なチャンスだと意識するのです。大手メーカーの場合、お客様のクレームから新商品開発のヒントを得たり、商品の改善ヒントに利用したりしています。
中小企業の場合は、お客様からのクレームを情報として利用するだけの意識がないように思われます。その余裕もないのかもしれませんが、クレームはお客様からのもので、使う者の立場からの意見だということを再認識すれば当然、大切にすると思います。チャンスはどこにあるかわかりませんが、チャンスがあっても、それをチャンスと見る感性と、それをつかむ意思がなければ逃してしまいます。
クレームも、お客様の気分や嫌がらせの場合もありますが、「嫌がらせかな」と思っても疑わずに真剣に聞いてください。どんなかたちのクレームにしろ必ず勉強できるものがあるものです。興奮して電話をかけてくるお客様に対しては、冷静にお客様の主張を聞きます。お客様の主張に対して、正しい主張でなければ認める必要はありませんが、正面から否定することはできるだけ避けて、主張をよく聞きます。
興奮しているお客様もしばらくすると、自らいいすぎたこと、無茶をいっていることに気づき、自らの主張を弱め、自らの悪かった点を反省してくれることが多いものです。これは、お客様が冷静になり心理的な自浄作用が働くためです。
故障のクレームの場合は、キチンと修理の相談に乗れば新たなチャンスが到来します。
また、故障のクレームから販売へとつながることも少なくないと思います。故障のクレームは新たなるビジネスチャンスと受け止めてください。いずれにしても、クレーム処理は真心をもって誠心誠意で応対することが必要だと思います。