日々の業務に追われてしまっては、つい会計資料の保存がおろそかになってしまいます。会計資料がなければ、また会計資料が不完全でドンブリ勘定になっていては、正しいマネジメントは、できません。原始会計資料がそろって初めて正しい会計が実施されます。何でもよいから保存する癖をつける必要があります。
当初は、どれを保存し何を捨ててよいのかわからないのが通常だと思います。すべてを保存して、会計事務所の指導により取捨選択するとよいでしょう。
現金の支出が伴わなくても保存しなければならない資料があります。例えば、車両などを処分したとき、収入や支出を伴わない場合がありますが、その場合でも車両を処分したわけですから経理上の取引となり車両の登録抹消の登録済書を保存しなければなりません。保存しないと経理処理する者が車両を処分したことがわからないため、車両がまだ存在するものとして経理処理をしてしまいます。何年も前に処分した車両が決算書に掲載されている例すら時としてあるのです。
さらに、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・手形帳などは最低でも記帳してほしいのですが、無理なようなら現金出納帳は省略し、領収証の裏に何を支払ったか鉛筆書きしてつづっておき、入金については入金伝票を起票して領収証と一緒につづってください。日付順に綴じ、伝票会計のように保存して会計事務所に提出します。紛失になければ、それで十分だと思います。
伝票類・書類などの日付欄は必ず記載します。もちろん年月日の記載を必ず記載してください。後に、いつの分だかわからなくなってしまうことがよくあります。すべての書類の年月日を記載する癖をつけるとよいと思います。
また、領収書のない支出については、出金伝票に起票して日付順に綴じます。領収書が無くても少額で事業活動に必要なものであれば認められます。例えば、電車・バスなどの交通費、取引先の開店祝い金などです。だからといって領収書が無くてもよいという感覚は持たないでください。個人事業主であれば領収証を貰うことを癖にしてほしいと思います。癖になれば抵抗がありませんから、ひいては楽になることなのです。経理は煩わしいと思いがちですが徴憑類さえ保存するようにすれば大変なことではないのです。